(17)ニンジャファイター 機密ファイル奪回作戦

“THE THUNDERING NINJA”/“ニンジャファイター 機密ファイル奪回作戦”
1985年 USA/HongKong(?)

監督 Joseph Kong
製作 Tomas Tang
脚本 John Barnes
殺陣 Tony Kong
撮影 Quincy Szeto
音楽 Tsang Kwong Wah

出演
Stuart Steen
Jimmy Wang Yu
Pedro Hughes
Bernard Geurts
Joe Redner
Klaus Mutter
Ken Kerr
Simon Lee

(武田)
 さすがフィルマーク。どうしようもない。明らかに二つの映画のつぎはぎで、せめてわからないようにやれと言いたい。これを「タイガー・リリー・プラス方式」と呼ぶことにする。セリフ適当につけていらん場面足してるから。

 まず、ベースとなる一つめの映画は、あのジミー・ワンが主演の香港製任侠もの。ジミー演じるヤクザ組織に入ったちんぴらと、そのおやじである警視総監の相克と家族愛を描く・・・たぶん。ニンジャは本来全く出て来ない。いかにもジミーの好きそうな主人公で、正義感が強く(俺は全くそうは思わないけど)腕っぷしが強くて、女にもててって奴。音楽は又も日本のもののぱくり。別にいいけど。ジミーが若いので、ショウ・ブラザーズ時代の香港だと見当をつけたのだが、獨臂刀・破れ唐人剣・火焼島ぐらいしか見たことがないので、全く自信なし。監督名やら出演者やらでいろいろ調べてはみたんだがなんとも・・・。誰か映像に見覚えのある方いませんでしょうか?

 これにたぶんフィルマーク社が勝手に付け加えたのであろうニンジャ関係のシーンが加わる。こちらのストーリーはミサイルの機密ファイルを手に入れようとする忍者軍団VSCIA(二人だけだけど)。白忍者はニンジャコマンドーの主人公でもあるあのひ弱なステュアート君(下の写真参照のこと)で、赤の忍者服。仲間として白い忍者服の男も現れる(無理矢理)。黒忍者は迷彩忍者服に変な額の手裏剣。

←とても弱そうな主人公

 見たらわかるが明らかに別の映画。接点は、白服ニンジャがジミーのいとこで(ジミー側の映画では一切忍者姿じゃない。共通してるのはただ東洋人風の目と名前だけ)、ジミーの母親殺したのがニンジャで、なんか知らんが突然ジミーと赤忍者が知り合いという点。めちゃくちゃ。ストーリーも完全に壊されている。ラストはクラッシュofザ・ニンジャと同じくわけのわからんポーズで終わる。どうしようもない映画で“安く買った映画があるんだけどニンジャの場面適当につけりゃ売れるでしょ”という社長の声が聞こえて来そう。こんなの日本で公開したら暴動おきるよ?

(不死川)
 クラッシュofザニンジャ、ニンジャコマンドーと同じフィルマーク社作品。ジミー・ウォング主演の普通のヤクザ映画に、むりやりニンジャシーンをはめ込んで作った(らしい)怪作。最後にやっぱり無理なニンジャバトルがある。△

 

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