(52)ハンテッド

“The hunted”/“ハンテッド”
1995年 USA:Davis Entertainment / Universal Pictures
監督・脚本 J.F. Lawton
プロデューサー John Davis / Gary W. Goldstein / William Fay (executive) / Yuriko Matsubara (associate)
撮影 Jack Conroy

出演
Christopher Lambert / John Lone / Joan Chen / 原田芳雄 / 島田陽子 / 夏樹マリ / 岡田真澄

(武田)
 “ナンパ好きなただのセールスマン”クリストファー・ランバートが武士と忍者の抗争に巻き込まれて逃げ回るんだけど、最後はハイランダーの記憶が蘇ってジョン・ローンの首ちょんぱでおいしいとこ取り、ってな話。ジョン・ローンは忍者服似合うし、原田芳雄のぶっきらぼうな剣術や、夏樹マリのルージュ引いたあやしいクノイチとか雰囲気あるし、新幹線ミナゴロシとか面白くなる要素満載なわけだが、なんでこう退屈になるのかよくわからん。岡田真澄の「今の日本に忍者なんていませ…はうっ!」ってな感じは大好きなわけだが。

(不死川)
 名古屋に来たビジネスマンが,現地人のセクシー美女(中国人だろ)とねんごろな関係になったのはいいが,その後美女が忍者に斬り殺されるシーンを目撃してしまい,ニンジャ軍団に追い回されることになる。ニンジャ軍団は新幹線の乗客を皆殺し(!)にしてまで主人公を殺しにかかるが,なんとかサムライ夫婦の助けを借りてにげのびる。その後なんだかよくわからない因縁でサムライ夫婦の一族とニンジャ軍団が戦ってほとんどの人が死んでしまう。なぜか酔っ払いの刀鍛冶のおやじにちょっと剣術を習った主人公がニンジャの首領を斬り殺してジ・エンド。  登場人物の誰にも感情移入できない(何が言いたいのかさっぱり理解できない)上に馬鹿馬鹿しさも中途半端で,ひたすら退屈だった。「ベルリン忠臣蔵」もそうだが、変にかぶれている人は日本人に難しいことを言わせたがるようだ。ラストエンペラーの人が「キンジョー」という残忍なニンジャの役をやっていた。顔を見られたら魂が半分取られたことになる(意味不明)から,と部下を惨殺するんだけど,どうせなら「アメリカン忍者4」ぐらい(ガラスが植えてある梁の上を歩き,落ちると股間に刺さる!)ぐらいやってほしかった。勘違いニッポン映画でも面白いのはあるわけで(「少林寺VS忍者」とか「ニンジャ修羅の章」とか),つまらないのは話がつまらないからだ。
 とはいっても好きなところもあった。
※「かくごは できている か」「とっくに かくごわ できてるわー」という日本人離れした発音の台詞。
※「はっはっは,今の日本に忍者などいませんよ…うっ」と言って死ぬ岡田真澄。
※新幹線の乗客をなぜか刀で皆殺しにかかるニンジャ軍団(毒をまくとかしたほうが確実なのでは?)。

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