(27) 燃えよニンジャ

(武田)
1998.8.9 video
“ENTER THE NINJA”/“Ninja I”/“燃えよニンジャ”
1981年 USA:City Film (1980s) / Golan-Globus(Cannon Group)
Directed by Menahem Golan
Produced by Yoram Globus Menahem Golan
Written by Dick Desmond(also story) Mike Stone(story)
Cinematography by David Gurfinkel
Film Editing by Michael J. Duthie Mark Goldblatt
Cast (in credits order)
Franco Nero .... Cole
Susan George .... Mary Ann Landers
Sho Kosugi .... Hasegawa
Christopher George (I) .... Charles Venarius
Alex Courtney .... Frank Landers
Will Hare .... Dollars
Zachi Noy .... Siegfried "The Hook" Schultz
Constantin De Goguel .... Mr. Parker
Dale Ishimoto .... Komori
Joonee Gamboa .... Mr. Mesuda
Leo Martinez .... Pee Wee
Ken Metcalfe .... Elliot
Subas Herrera .... Alberto

(武田)
 やっと見つけた…燃えよニンジャ…伝説のショー・コスギ初出演映画…。
 日本で忍術を習得したフランコ・ネロ。人件費の安いフィリピンで友人宅にやっかいになっていると地上げ屋といざこざを起こしてしまう。忍者だと気づいた相手はかつての兄弟子でありネロの虎の巻取得に反対していたコスギを雇う…
 オープニングがかっこいい。数分間に渡りショーコスギがヌンチャク・サイ・槍・カタナなどの演舞が見られる。そして突如として白装束の忍者が飛びげりで画面に登場してコスギは倒される…っておい、何分も演舞させといて一撃かい!ということで主人公は白、コスギは黒。日本の下っ端忍者は赤。基本やね。
 全体的に見ると、結構自分達の撮影している映画を一般の観客にすりあわせようとしているのか、ところどころ忍者に対してのシニカルな視点もあって笑える。突然部下を皆殺しにした白ニンジャに対して、「いい服だ。どこの仕立て屋だい?」この敵の手下がクールで設定でいいです。 

 おまけ
 映画中で示される九字の意味
・ 臨 精神および肉体の強さ
・ 兵 気の方向
・ 闘 天地万物との調和
・ 者 自己及び他者の治癒
・ 皆 危険の予知
・ 陣 他者の心を知る
・ 烈 時空の超越
・ 在 四大の支配
・ 前 悟り

(不死川)
 オープニングのニンジャバトルの素晴らしさは驚嘆に値する。世間ではニンジャ映画そのものが低級に見られているような気がするが、ニンジャ映画にも「いいの」と「よくないの」があるということが知られていないのは嘆かわしい。この作品は当然「いいの」である。だいたい、ニンジャ映画のくせに話が首尾一貫しているというのは、それだけでたいしたことであることを世の中の人間は知るべきだ。
 フィリピンで主人公のニンジャがヒロインをどさくさにまぎれて触りまくっていたのが印象的だった。しかし、なぜフィリピンでニンジャが!?と、思っていたらやっぱり解説があった。
 「これは、ニンジャの仕業です」
 「ニンジャ?」
 「ニンジャというのは日本の・・・(以下怪しげな解説)」
 それで、我々もニンジャを雇おう!と日本にいってあっさりとニンジャをスカウトしてくる悪の手下もすごい。
 ショー濃すぎ、いやコスギは悪の手先となって善良な人々の家に放火して回るのだが、その時妙に嬉しそうな顔でたいまつを振りかざし「やー!あーあー!やーー!」と意味不明なことを喚き回っていたのが夢に出てきそうなすごさがあった。
 本当に安っぽい映画なのに、そのことをしばし忘れるのはひとえにショー・コスギの魅力によるものであろう。

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