(02)ニンジャ 修羅ノ章

“REVENGE OF THE NINJA”/“ニンジャ 修羅ノ章(NINJA II)”

1983年

監督 Sam Firstenberg
製作 Menahem Golan,Yoram Globus
脚本 James R.Silke
撮影 David Gurfinkel
出演 Sho Kosugi .... Cho Osaki/Black Ninja
Keith Vitali .... Dave Hatcher
Virgil Frye .... Lieutenant Dire
Arthur Roberts (II) .... Braden
Mario Gallo (I) .... Chifano
Grace Oshita .... Grandmother
Ashley Ferrare .... Cathy
Kane Kosugi .... Kane Osaki
John LaMotta .... Joe
Melvin C. Hampton .... Detective Rios
Oscar Rowland .... One Eyed Informant
Professor Toru Tanaka .... Sumo Servant

 転生の章よりも前の作品だがこちらの方が格は上。日本で公開はされていない。日本ではビデオの発売順でニンジャIIとされている。ただしこの作品は確かにシリーズ作二作目。転生の章が三作目で日本公開名が”ニンジャ”だから偶然こうなった。まだ低予算の雰囲気を感じさせる。後期よりも格闘画面が無理やり詰め込まれてるという事。でもその方が絶対いい。

 キャノングループのニンジャ物のスタッフロールは”ニンジャアルファベット”で読みにくい。コスギのアクションが素晴らしいの一言。ただ初期の低予算の一編なので、冒頭に出て来るアメリカ人忍者エキストラの動きが鈍く、ショー・コスギがそれにあわせなければならず少し歯がゆい。黒ニンジャの動きは完璧。黒ニンジャとはちなみに私の造語で”最後に善玉ニンジャと格闘を繰り広げる悪役ニンジャ”のこと。低予算であってもニンジャ・格闘物は主演・準主演者等の技量によってどうにでもなる事が良くわかる。私をニンジャ物の虜にした作品。主演女優のスタイルが最高。ケイン・コスギがまだ幼稚園児みたいなんだが、かなり鍛えられてるようできっちりアクションをこなす。銀の般若面やおばあちゃんのバック転など結構笑える所もある。

 キャノングループに限らずニンジャ映画には幾つか共通する演出がある。忍者装束の入った箱の底は必ず光り、いらんバック転が多く、最後の対決では必ず刀は飛ばされて数々の武器が登場するなどなど。これらは香港ニンジャ物でもみられるが、キャノングループの演出が世界の忍者製作の現場に影響を与えた物らしい。ただし日本人ニンジャを示す”目の墨隈取り”はあまり浸透しなかったようだ。

 この映画に出て来る手裏剣バックル、鉤付きナックル仕込み短刀などはアメリカでは通販されている。ほしい・・

 ニンジャ映画は紹介される時”勘違い日本が楽しい”なんて書かれるが、そんなものは全く考慮に値しない!ニンジャ映画はそれ単体で一大エンターテイメントであり、そういった部分も既に血肉の一部だ。むしろ日本の文化こそ間違いだと言い切って構わない!ニンジャ映画はあくまで”ニンジャ映画”であって、”忍者映画”ではないのだ!わたしは日本でのニンジャ映画の評価に対して、「否、否、三度否!」と叫ぶ者である!・・ちょっと興奮しすぎたかもしれない。失礼。しかし”ニンジャ映画”といった部類は認められてしかるべきだと思う。

 ちなみによくアクション物で端役で出て来る相撲取りのようなあるいはモンゴル人のような俳優はProf.Toru Tanakaとかいうようだ。

(不死川)
 銀の般若面のニンジャとか、怪しすぎる!ショー・コスギのアクションはすごい。○
 「ニンジャアルファベット」は、正式には「バンブー体」というそうだ。欧米のオリエンタル趣味の人がよく使う。
 「ニンジャII」は「ニンジャ」とは全然関係がないので、どちらから見ても構わない。

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